「日本一アルバイトが輝き成長する会社」
それが株式会社大地の掲げる経営指針です。同社ではこの指針に従い、パート、アルバイト(PA)を主役にしたさまざまな社内イベントを開催してきました。
その総決算という位置づけで2014年から毎年3月に開催されているイベントが「カンテラ祭」です。今回は、このイベントの概要と会社の狙いをご紹介していきます。
「カンテラ祭」プログラム概要と当日の流れ
「カンテラ祭」を開催している株式会社大地は、1987年の設立当初、上下水道の設計業務を主として手がけていました。1997年にリフォーム部門を立ち上げ、その3年後に焼肉店「牛角西院店」を京都に出店。まったくの異業種であった外食産業に参入を果たしました。
飲食業界での手ごたえをつかんだ同社は、その後も居酒屋「土間土間」などのフランチャイズ店舗を増やし、店舗を増やしていきます。海外にも出店を果たし、今もなおその勢いはとどまるところを知りません。
飲食業界全体で人手不足が深刻化するなか、同社では自発的に社員を目指すPAが多いことから採用活動を一時中断するなど、異例の展開を見せています。2017年からは、PA主催のイベントであることを印象付ける「オープニングアクト」が取り入れられました。
当日の主なプログラム
- 1)オープニングアクト
- 2)成果発表会
- 3)卒業式
- 4)表彰式
当日の運営や卒業式の演出は、社員が選抜したPAで構成される実行委員が担当します。成果発表で壇上に上がるスタッフもPAに限定するなど、あくまでも「PAが主役のイベント」というコンセプトを徹底している点が特徴です。最大の山場となる成果発表の企画や演出も、選考を勝ち抜いた所属店のPAが担当しました。
具体的な内容は、イベント支援企業が入り、担当のPAと相談して決めていきます。台本の推敲には、約2週間を費やしました。
表彰式では「ファンくるモニター賞」「クレンネス賞」などの部門賞を設定。また、2018年から個人を対象とした「パートナーMVP賞」を新設するなど、内容も年々ブラッシュアップされています。
2018年の最優秀店舗賞は、「炭火とワイン京都駅前店」が受賞。壇上でプレゼンテーションを行った4店を除く店舗のPAや外食関係者らの投票で選ばれました。受賞店には賞品として、東京ディズニーランドの全員招待券が贈呈されました。
当日の流れ
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- 11:00
- 開場・受付
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- 11:30
- オープニングアクト(パート、アルバイトによるパフォーマンス)
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- 11:45
- 開会のあいさつ
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- 12:00
- 1店目プレゼンテーション
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- 12:20
- 2店目プレゼンテーション
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- 12:40
- 3店目プレゼンテーション
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- 13:00
- 4店目プレゼンテーション
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- 13:30
- 投票・休憩
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- 13:45
- 卒業式
代表者プレゼンテーション
エンディング映像の放映
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- 14:30
- 表彰式(クレンネス賞、ファンくるモニター賞、パートナーMVP賞、年間MVD賞(社員)、最優秀店舗賞)
代表のあいさつ
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- 15:00
- 閉会
「カンテラ祭」開催の目的
取締役の神田俊勝氏によると、カンテラ祭の狙いは大きく分けて「PAの成長促進」「理念の浸透」「決勝進出を目指すことで生まれる組織の一体感の醸成」の3つです。また、裏テーマとして社員候補の発掘も想定されています。
カンテラ祭をはじめとする同社主催の各種イベントに参加することで、「社員になりたい」という自発的な意欲をPAが持ってくれることが理想です。そのため、PAが運営に携われて社員とのコミュニケーションをとれる機会の多い運営体制を目指しました。
その理想を実現するため、次回は、学校の卒業や引越しなどを機に退職するPAに対する卒業式の演出を変え、「PAがつくる、PAが主役のイベント」というカラーをより鮮明にする予定です。
さらなるブラッシュアップを
2014年にスタートしたカンテラ祭。毎回結成される実行委員会によって台本が精査されており、マンネリ感のないイベントとなっています。PAの採用によって、社員の採用活動をストップできるという飲食店はほかにあまり例がなく、これにはカンテラ祭が大きな影響を及ぼしているといえるでょう。カンテラ祭の今後のさらなる展開に期待がかかります。