採用難を切り開くには「女性の活躍推進」がカギ

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業界を問わず激しい競争が続くなか、一定のパフォーマンスを期待できる優れた人材の確保はどの企業にとっても大きな課題です。その一方でここ数年「売り手市場」が続いており、予定の採用枠を埋められない企業も少なくありません。

採用難が深刻化する中で優れた人材を確保するためのカギとして注目されているのが、女性の活躍推進です。ここでは女性が働きやすい環境を提供することで、人材を確保する手法について考えていきましょう。

「売り手市場」が続く時代

テレビや新聞といったメディアではここ数年、「売り手市場」という報道が続いています。自社や身近な企業で、採用に苦労している担当者を目にする機会も多いのではないでしょうか。

どんなに採用難が続いていても、社員数が5,000人を超えるような大企業で求人倍率が1倍を下回るようなことはほぼありません。売り手市場であっても買い手市場であっても福利厚生が充実した上場企業には人気が集中するため、人材不足のしわ寄せは中小企業にとってより深刻になります。

社員数が300人以下の企業では、ここ10年ほど求人倍率3.0以上という状態が続いています。つまり超売り手市場という状態で、採用枠を埋めきれない企業が続出しているのです。

「女性活躍推進」の働き方改革

そこで注目されている手法が女性の活躍推進です。共働き世帯は増加の一途をたどっており、結婚を機に仕事を辞める人は減ってきました。

しかし福利厚生に十分な予算を避けない中小企業の多くでは、育児と仕事を両立するための制度が整っていません。そのため育児と仕事が両立できず、仕事を続けたいと望みながら出産などのタイミングで退職に踏み切る人が後を絶ちません。仕事を長く続けたいと望む女性は、新卒採用の段階でそういった制度の整った企業を目指す傾向もあります。

出産までキャリアを積んだ女性は優秀な戦力です。新規採用者と異なり、研修も必要ありません。新卒採用を増やすよりも、これらの優秀な女性が辞めずに働き続けられる制度を整えることが人材の確保につながります。

採用ができている企業の特徴

「そうはいっても、出産や育児で休まれるとその間の人材カバーや給与の負担ができない」と思われる経営者も多いかもしれません。しかし女性活躍推進大臣が生まれて以来、女性の活躍推進を後押しする政策も充実してきています。

たとえば、女性の活躍推進に関する取り組みを盛り込んだ一般事業主行動計画の策定や情報公表など、一定の基準を満たした企業には厚生労働省の認定が与えられます。「えるぼし認定」という名称で、認定を受ければ名刺や求人票に認定マークを使用でき、女性の採用時にそういった取り組みに積極的な企業であることをアピールできるわけです。

中小企業ではこういった取り組みに積極的な企業とそうでない企業がはっきりと分かれており、これまで通り「子どもが生まれたら辞めて当たり前」という風潮の企業では採用が難しくなってきました。認定を受けていなくても、育児休業制度などを用意している企業は比較的採用ができているという実態があります。

さらに認定を受けていればさまざまな助成金の評価の対象となったり、日本政策金融公庫の融資で金利が有利になったりといった特典が用意されています。

女性活躍推進で優秀な人材を確保しよう

女性の活躍推進につながる施策には、育児休業制度や短時間勤務正社員などさまざまなものがあります。ハローワークでは制度に対する優遇施策が多数紹介されており、一般事業主行動計画の策定に対するアドバイスももらえます。気になっている方は、一度相談してみましょう。

これらを充実させれば、経験の豊富な女性スタッフが辞めずに仕事と育児を両立させられるようになるかもしれません。

また、女性の活躍推進に前向きな姿勢は企業PRにもつながります。新規採用の場で他の企業との差別化を図るきっかけにもなるので、導入を検討してみましょう。


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