「蛍の光」が流れ、送るものが送辞を、送り出されるものが答辞を読み、感動の涙が頬を伝う卒業式の光景…実はこれは、学校だけの専売特許ではありません。「卒業式」というイベントを行うことで、さまざまな効果を得ている会社が実はたくさんあります。
飲食業界では馴染み深いといわれる卒業式のイベント。その効果と活用事例、手法についてご紹介していきましょう。
企業が行う「卒業式」とは？
企業が行う卒業式は、主に学生アルバイトを対象としています。学生は学校卒業と同時に就職や次の進学先などに応じて生活環境が変わり、アルバイトを辞めていきます。
企業にとってアルバイトが辞めることは、人材不足によるサービス低下や採用の手間の増加を意味しており大きな損失です。ともに働いたスタッフが夢に向かって羽ばたくことは本来喜ばしいはずですが、特に経験が豊富で優れた人材が辞めると、なかなか喜んで送り出す気分にはなれません。
しかし「卒業式」を慣例化すれば、学生アルバイトが「辛いことや面倒なことがあっても卒業式までは何とか頑張ろう」と思う区切りになり、離職率低下につながります。一緒に働いた日々を振り返り、ともに涙するイベントを通して企業と学生の間におけるエンゲージメント（信頼し合い、貢献し合う関係性）向上も図れます。
自分が「大事にされていた」と感じられる職場なら、後輩や知人の中で信頼できる人材の紹介にもつながるでしょう。つまり卒業式には、継続した人材確保という効果も期待できます。
卒業式を行っている企業例
では、実際に卒業式を行っている企業にはどんなところがあるのでしょうか。ご紹介します。
株式会社ブルームダイニングサービス
バル･バール業態の『がブリチキン。』『肉ビストロ2986』のほか、ラーメン業態の『つけ麺・ラーメン フジヤマ55』、鉄板業態の『花ちゃ花ちゃ』、焼肉業態の『小田井ホルモン』などを展開する飲食店経営の企業。多業態展開で社内コミュニケーションが希薄にならないよう、アルバイトスタッフの卒業式やバーベキュー、運動会、社内表彰式、経営計画書発表会など、横のつながりを強化する機会を積極的に設けています。
株式会社KUURAKU GROUP
「炭火串焼厨房 くふ楽」「串焼BISTRO 福みみ」「地中海BISTRO SHIBA」など、国内だけで20店舗以上を展開する飲食店経営企業です。カナダやインド、インドネシアといった海外にも進出しており、2004年には学習塾の経営にも乗り出しました。店長をキャプテン、アルバイトスタッフをメンバーさんと呼び、就職や結婚などを機に店を離れるアルバイトスタッフの卒業式を行います。国内の全店舗を休みにして、社員全員が集います。
涙が止まらない…！感動の卒業式を
今や人材の確保は、どの業界においても喫緊の課題です。「卒業式」はアルバイトスタッフに「会社に大事にされている」と印象を与え、離職率の低下につながるイベント。飲食店に限らず、アルバイトスタッフを活用している業界では実施を検討してみてはいかがでしょうか。当社では紹介採用につながる、感動の卒業式をプランニングいたします。
